世界史研究会シンポジウム 於、東京電機大学神田

前日までの雨も上がり、きょうはよい天気であった。
東京電機大学神田校舎11号館17階特別会議室で世界史研究会創立記念シンポジウムを行なった。

「科学技術と歴史学―3.11までの現代史を顧みる」というテーマで、石塚正英氏による企画提案のシンポジウムであった。氏による提起は「・・・むろん、今回の大災害の元凶に科学至上主義・近代官僚主義などがあげられるからです。モルトケ以来のピラミッド的合理主義組織・フォーディズム生産システム(アメリカ的グローバリズム)は崩壊しているのに、それにしがみつく近代というものに批判のメスを入れましょう」というもの。
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報告者とその論題は、
1.青木信家「アメリカ的自由の再検討」(世界史研究会会長)
2.岡本充弘「歴史のハイアラーキー:近代の知の秩序」(東洋大学文学部教授)
3.石塚正英「東亜共同体リーダーの資格喪失」(東京電機大学理工学部教授)
であり、それぞれ30分~40分程度でお願いした。

それぞれの報告の要旨をつかめるものを『世界史研究論叢』第2号に掲載できるようにと、考えている。会は、14:00開場→14:30開会→18:00閉会→懇親会の流れで行なった。司会は、川島祐一。
創立記念大会にふさわしく開場が満席になる盛況であった。報告者3名、司会、参加者12名の計16名。シンポジウムの後に予定していた『世界史研究論叢』第1号の合評会は時間の関係でできなかった。シンポジウムの時間内では質問が終わらなかったので、懇親会の席でも大いに盛り上がったことだろうと思う。

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成瀬治『世界史の意識と理論』、西嶋幸右『専制君主と啓蒙思想家』、岡崎勝世『聖書VS世界史』、織田武雄『地図の歴史-世界編』、福井憲彦『歴史学入門』の5冊を研究会前に神保町で購入。
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# by kawa0201jp | 2011-12-04 11:30 | 参加記

世界史研究・世界史教育関係のサイト

文部科学省 高等学校学習指導要領
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/990301d.htm

世界史研究所(所長 南塚信吾)
http://www.history.l.chiba-u.jp/~riwh/

NPO法人歴史文化交流フォーラム
http://www.npo-if.jp/

ユーラシアの近代と新しい世界史叙述(羽田正研究室)
http://haneda.ioc.u-tokyo.ac.jp/eurasia/

大阪大学歴史教育研究会(代表 桃木至朗)
http://www.geocities.jp/rekikyo/index.html

神奈川県高等学校教科研究会社会科部会歴史分科会
http://www2.ocn.ne.jp/~bukai-hi/

帝国書院 世界史のしおり
http://www.teikokushoin.co.jp/journals/history_world/

世界史教育のあゆみと課題・ノート(鈴木亮)
http://home.att.ne.jp/wave/natsu/ryo/sekaisimokuji.htm
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# by kawa0201jp | 2011-12-03 15:17

参加記(於、専修大神田)

先週の東洋大シンポジウムのときは大雨だったが、きょうはよい天気だった。神保町で古書漁りをし、上原専祿・江口朴郎・成瀬治などの著書を探す。著者の名は多く見かけたが目的のものは見つからなかった。岡崎勝世『世界史とヨーロッパ』(講談社現代新書1687、2003年)を帰りの電車で読むものとして購入。
専修大学神田校舎ははじめてだったので、はやめに向かう。7号館を探すのに少し時間を要したが、余裕を持って会場に入れた。近現代史研究会と東欧史研究会の合同例会であった。報告と合評会というかたちで行なわれた。
報告は栗原久定(千葉大学・院)による「第一次世界大戦中の中央アフリカ(Mittelafrika)構想」で、中央アフリカ構想を軸に考えられた世界政策の再検討を、(1)中央アフリカ構想が、同盟国の総力戦体制の構築に与えた影響を考察し、(2)南アメリカ、西南アジアに向けての経済的、軍事的影響を分析するものであった。
合評会は、ノーマン・J・ウィルソン『歴史学の未来へ』(法政大学出版局、2011年)を合評本としたもので、監訳者の南塚信吾さんと木村真さん。それから、翻訳者の方が複数名参加し賑やかなものだった。参加者も20名近くになりその3分の1程度女性であった。『歴史学の未来へ』は『世界史研究論叢』第1号に文献紹介を掲載している。訳者のひとり渡邊昭子(大阪教育准教授)さんは、学部の少人数ゼミでのテキストにしたことを話していた。議論の中で、訳注をきちんと活かして読むのなら院1年目の購読テキストとして扱わないと、読み込めないのではないかとの意見もあった。
わたしは、『立正西洋史』第27号で今井登志喜『歴史学研究法』を復刻した。福井憲彦『歴史学入門』や遅塚忠躬『史学概論』なども優れた史学概論のテキストであるが、『歴史学の未来へ』はそれらでは扱っていないポストモダン・ポストコロニアル的観点も学ぶことができる。

来週12月4日は、世界史研究会主催シンポジウム「科学技術と歴史学―3.11までの現代史を顧みる」です。東京電機大学神田校舎11号館17階特別会議室。【http://www.geocities.jp/world_history_research/




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早瀬晋三(大阪市立大学教授)による遅塚忠躬『史学概論』書評
http://booklog.kinokuniya.co.jp/hayase/archives/2010/09/post_189.html
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# by kawa0201jp | 2011-11-26 23:30 | 参加記

参加記(於、東洋大白山)

今日は、あいにくの天気であったが、東洋大学白山キャンパスで開催されたシンポジウムに参加をしてきた。
 研究プロジェクト「トランスナショナルカルチュラルヒストリーの今後」公開シンポジウム「文化と歴史」主催:東洋大学人間科学総合研究所、共催:白山史学会。11月29日と12月10日と二回にわたっての開催。今日は、「教育の現場における歴史」ということであった。報告は、2本。池尻良平(東京大学・院生)による「歴史的解決策を現代の問題解決に応用する力を育成するゲーム学習のデザインと評価」と、森谷公俊(帝京大学)による「言葉を鍛える歴史学-実践的歴史教育論」であった。司会は高畠純夫(東洋大学)。
 最初に、池尻が報告を行なった。池尻は、東京大学の近藤和彦ゼミを卒業後、東京大学大学院学際情報学府山内祐平研究室に入り、歴史学習・歴史科学・教育工学・ゲーミングを研究している。高校生が世界史における多様な人物の政策を現代の日本の経済を活性化させる政策の生成に応用できるゲームをデザインし、評価を行なったそうである。ゲームというシステムは複数の構成要素をルールによって互いにやり取りさせ、創発現象を起こさせる特徴をもつ。同一の目標に向かって複数の視点が入る点を利点として紹介した。池尻が実践を行なったのは都内の進学校であり、日本の高校生の10%ほどしかこのゲームを行ない、効果を挙げることはできないだろうとの認識であった。
 報告を聞いていて、歴史教育論は溢れるほどなされてきているが、今までにない視点から報告がなされたいへん興味深かった。しかし、池尻自身認めるように、多くの高校では実践の難しいシステムであることも確かだと感じた。高校カリキュラムのどの時期に導入すべきかという課題もある。池尻は、文部科学省(2011)の求める「生徒の発想や見方、疑問をもとに生徒自らが主題を設定し、これまでに習得した世界史の知識、技能を用いながら、歴史的観点から諸資料を活用して主体的に考察する活動」として、学年末の期末試験後に行なうことを想定しているとのことであった。
 次に、森谷が報告を行なった。森谷の報告は理論的なものではなく、普段行なっている授業の実践報告をとおして、教養としての歴史学のあり方、その具体化の方法を考えるというものであった。これまで発表した実践報告から始まり、帝京大学史学科の紹介、学生の現状、私の教育目標、授業の実践、教養としての歴史学、発問=課題の設定こそ授業の要、今後の大学教育のために、という順で報告された。森谷は、実践報告を一冊の本にまとめている。『学生をやる気にさせる歴史の授業』(青木書店、2008年)。帝京大学など、歴史の専門家の育成を目指す史学科ではない大学の歴史教育の問題設定と教育困難な状況がひしひしと伝わってきた。報告資料として、「2010年度前期 西洋史概説授業日程」や授業で配布したレジュメも添付されていた。まるで、高校教員の教材研究、授業プリントのように懇切丁寧なレジュメであった。そこまでしても、なかなか教育効果は出ないという。報告を聞きながら、自分はどのようなきっかけで歴史を好きになり、史学科に進んだのか。いまも、世界史を勉強しなおしたり、歴史の本を読み続けているのかなども考えさせられた。

次回は、12月10日(土)。14:00~17:00。白山キャンパス6号館6308教室となっている。「戦後史学と社会運動史」、報告:谷川稔(京都大学元教員)、喜安朗(日本女子大学元教員)。司会:岡本充弘(東洋大学)。 テーマも、報告者もとても魅力的なのだが、あいにく子どもたちのおゆうぎ会と重なっていて参加できないのが残念。ご都合のつく方はぜひ、参加してみては。予約不要の入場無料です。
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# by kawa0201jp | 2011-11-19 23:00 | 参加記

西洋近現代史研究会 からの転載

<西洋近現代史研究会11月例会のお知らせ>

日時:2011年11月26日(土)13時~17時30分
会場:専修大学神田校舎7号館(大学院棟)8階783教室

研究発表栗原久定氏(千葉大学・院)
報告タイトル:「第一次世界大戦中の中央アフリカ(Mittelafrika)構想」(仮)

座談会ノーマン・J・ウィルソン(南塚信吾/木村真監訳)『歴史学の未来へ』
(法政大学出版局、2011年)をめぐって
※監訳者お二人とも参加予定です。お二人に翻訳の経緯を話していただき、
その後、自由討論を行います。

下記のURLより本合同セッションのチラシをダウンロードできます。
http://kingenken.web.fc2.com/wilson_26nov2011.pdf

■専修大学神田校舎までは
・JR水道橋駅西口より徒歩7分
・地下鉄東西線、都営新宿線、半蔵門線九段下駅 出口5より徒歩3分
・地下鉄都営三田線、都営新宿線、半蔵門線 出口A2より徒歩3分
・キャンパスまでの地図はこちら
http://www.senshu-u.ac.jp/koho/campus/index06a.html
・キャンパス内地図はこちら
http://www.senshu-u.ac.jp/koho/campus/index06b.html

■12月例会は、12月17日(土)に、石川大地氏(立正大学・院)の
修論構想発表および今井宏昌氏(東京大学・院)の研究発表を予定
しています。
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# by kawa0201jp | 2011-11-02 21:54 | 研究会案内


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